巨人と玩具/増村保造
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巨人と玩具 販売元:角川エンタテインメント |
1958年6月22日封切の作品。
ワールド製菓の宣伝課長である合田竜次(高松英郎)は、「宣伝の鬼」と呼ばれる凄腕。同課新入社員の西洋介(川口浩)は、そんな彼を尊敬していた。
ライバルである、「ジャイアンツ」、「アポロ」とのキャラメル販売合戦で、ワールド製菓は売上の低下を強いられた。そこで、合田は新たな宣伝を考える必要に迫られた。そんな中、合田は島京子(野添ひとみ)に目をつけ、イメージキャラクターに仕立て上げようと考える。合田は京子の住所を聞き出して、西を彼女の世話役にした。ちなみに京子は、長屋に住む下町の少女である。
合田は、写真家の春川(伊藤雄之助)に京子の写真を撮らせ、それを雑誌に発表して売り出しを図る。案の定マスコミが騒ぎだす。週刊誌、ラジオなどあっという間に時代の寵児となる。合田は、イメージキャラクター選びは思惑通りに進み、京子が使われることになった。
3社での販売合戦が本格的にスタートし、京子は宇宙服の衣装で、ワールドのポスターやテレビで笑顔を振りまき始める。ライバルメーカーでの製造中止問題が発生した間隙をぬって、ワールドは大増産を始めたことで売上も上昇傾向に転じ、合田は自身の義父である矢代宣伝部長を追いやり、自分が部長の椅子に座る。
以降も莫大な宣伝費が投下されるが、キャラメルの売上は再び停滞する。そこで、合田は宇宙展でキャラクターの京子に客寄せパンダになってもらうことを思いつき、部下の洋介に彼女を連れてくるよう命じる。しかし、呼ばれてきた京子はケバく、すれっからしのようになっていた。京子は洋介に恋心を抱き、以前に「恋人になって」という告白をするが、彼は断った。このことをきっかけに彼女の生活が変わり始め、スターダムにのし上がって行くのと同時に鼻持ちならない女に変わっていたのである。「契約にそんな条項がない」からといって、彼女は宇宙展に出ることを拒絶する。
その事実を見聞きし、合田は洋介に再度命じる。「彼女を抱け」と。しかし、合田は心労と過度の労働から吐血する。それはまるで、以前の矢代部長と同じような姿であった。
開高健の原作を、増村保造ががむしゃらともいえるほどスピーディーな演出で撮る、初期監督作品。「コント55号宇宙大冒険」での宇宙人役や、「探検隊シリーズ」、「武富士」のCMキャラクター(京子役の野添ひとみとその後結婚し、武富士は夫婦共演している)など、少し奇っ怪なイメージがあった川口浩だが、この時期の青臭い感じはとても心地よい。あんなに手堅い芝居ができる高松英郎にも、完全にイメージが変えられました。
増村作品は『卍』や、『妻は告白する』、『でんきくらげ』など陰鬱かつ淫靡な世界観が多いのですが、これは初期ということもあってか、非常に社会的で真面目な作品で引き込まれます。メーカーやマスコミのスタンスも、50年前と何にも変わっていないことを教えられますし。
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